環境の保全に対する関心が高まっていますが、無駄なゴミを減らすことも自然を保護する上で大きく役立ちます。飲み終わったペットボトルなどもそのまま焼却処分をするのではなく、リサイクル資源として利用することで環境の保護に役立てることが可能です。
仕事用の服装として利用されている作業着の中には、こうした素材を使用して作られた環境に優しいものもあります。
環境を保護するための法律
飲み終わったペットボトルを破棄せず資源として再利用することは、環境保護の観点からも広く推進されています。無駄なゴミが増えることでゴミを焼却するときに排出される二酸化炭素の量も増大し、環境にも悪影響を与えるからです。
また、限られた資源を有効に使うという意味でも、ペットボトルの再利用はこれからの社会にとって非常に重要です。限りある資源を別のものとして作りかえることで、持続可能な社会を作ることに貢献できます。実際に、行政でもこうした再資源の活用に積極的に取り組んでいます。
一般企業にも環境に対する関心を高めてもらって、より環境に配慮した取り組みをすることを推進しています。そうした政策の一環として立法化されたのが、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」です。これは国などの公共機関が物品を購入する場合にはできるだけ環境に負担をかけにくい製品を選んで購入することを義務と定めている法律です。
こうした法律が整備されたことから、公共団体ではペットボトルを利用した素材などリサイクル資源から作られた製品の購入が積極的に進められています。
環境を保護するための取り組み
前述の法律は国などの公共機関に対して環境に対する配慮を求めたものですが、同時に一般企業にもこうした環境に対する取り組みを求めています。一般企業が環境に優しい製品を購入する際の基準となるように、どのような製品を購入するのが良いかに関する情報なども国などの公共機関で公開しています。
環境に優しいリサイクル資源を利用した製品を購入することで、環境に優しい企業活動をしている企業として一般社会からも認知されるため、企業イメージの向上に役立てることができます。ペットボトルを利用した作業服なども、こうした環境保護の観点から大きく注目されている製品です。
特に国などの公共団体の場合は前述の法令の施行により、環境に配慮した製品の購入が義務づけられているため、こうしたリサイクル素材で作られた作業服なども積極的に導入されています。
公共団体で行われている仕事の中には作業服を着用しながら行われるものもありますが、こうした職種で働いている人が仕事をしやすい服装として作業服が使用されています。ペットボトルの廃棄物を利用して作られたものを選んで購入することで、環境に配慮した行政活動を行うことができます。
こうした取り組みは公共の利益を追求する公共団体としての性質から強く求められているものです。
再利用できる素材として生まれ変わるペットボトル
飲み終わったペットボトルから作業服の原料となる素材を作ることができるのは、ペットボトルを作るのに使用されている原料の中に洋服を作るときに利用される素材と共通のものがあるからです。
ペットボトルを作るときに使用されるのはポリエチレンの一種ですが、これは石油を原材料として作られています。つまり、使用済みのペットボトルはポリエチレンで作られた容器という側面があります。ポリエチレンは細かく砕くことで資源として再利用ができる素材です。
リサイクル資源として回収されたペットボトルは、内側や外側をきれいに洗浄してから乾燥させ、細かく砕かれます。小さなかけらとなったペットボトルはポリエステル繊維として生まれ変わり、さまざまな製品を作るのに再利用されています。
ペットボトルから生まれたポリエステル繊維を使って製品を作る技術は、さまざまな方面で開発されています。これまでには作れなかったような製品もリサイクルのポリエステルを利用して作れるようになり、幅広い方面で価値のある素材として役立てられています。
ポリエステル繊維を使用した衣類などはそうした製品の典型的なもので、日常生活用から業務用までさまざまなタイプの衣類を作るのに役立てられています。
国が定めている基準
ペットボトルを使用して作られた作業服もこうしたポリエステル繊維を利用して作られています。使用済みのペットボトルを砕いて再利用することで石油を使用しなくても良いことから、化石燃料の保全という点にも役立っています。
ペットボトルから作られたポリエステル繊維も通常のポリエステル繊維と同様に、さまざまな種類の衣類を作ることができる技術が開発されています。国で定められた環境保護を推進するための法律でも、こうしたタイプの製品を積極的に購入すべきことを公共団体などに求めています。
ペットボトルから作られた作業服などもこうした法令の存在により広く購入されていますが、ペットボトルを使用した作業服ならばどのようなものでも良いというわけではなく、環境に配慮した製品として認められるためには一定の条件があります。
それは作業服を作るのに使用されているポリエステル繊維などのリサイクル素材が製品全体の材料に占める割合のうち、一定以上である必要があるということです。法令ではリサイクル素材として作られたポリエステル繊維が、作られた服の重さの10パーセントを占めることが求められています。
こうした条件を満たした作業服が環境に配慮した製品として公共団体が積極的に購入することを求められている対象となっています。
エコマークとして定められた基準
環境に配慮した製品であるという基準は、国の法令以外の基準によっても定められています。それが日本環境協会が定めているエコマークという基準です。国の法令では製品の重さの10パーセントを占めるリサイクル素材を使用したものが環境保護に役立つ製品として規定されていますが、エコマークの基準はそれよりもさらに厳しくなっています。
製品の重さの半分にあたるリサイクル素材を使用することを求めていることから、このマークのついた製品はより環境に配慮した製品であると言うことができます。ペットボトルから作られたポリエステル繊維を使用した作業服の中にもこうしたエコマークの基準を満たした製品があり、環境の保護に大きく貢献しています。